ベトナム労働考察

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最近、ベトナムに進出してくる日系企業が増えているようです。ベトナムに限らず、カンボジアやミャンマーなどの労働賃金が安い国への進出が増えています。

外国への進出支援を専門とするコンサルタント会社は、そのような企業に対して、ベトナムの良いところばかりを説明し、悪い面やデメリットになるようなことは、全然伝えていないようなのです。

例えば、、、

(1) 最低賃金の急な変更
最低賃金は、ベトナム政府により都市や地方ごとに定められています。
だけどね、急に決まって、急に施行されるのです。

「来月から、最低賃金を17%アップします!」とか。

数百人の作業者がいる大手工場なんかは、それだけで、人件費の資金繰りが大幅に狂ってしまいます。
500人とか1,000人とか労働者がいる工場で、いきなり最低賃金が17%アップとかするんですよ!
資金繰りも、予算管理もあったもんじゃないのです。

(2) 旧正月休み
ベトナムの正月休みといえば、「旧正月」です。毎年変動しますが、1月下旬から2月上旬頃に旧正月があります。
だけどね、休み明けに労働者が会社に戻って来ないんです。

旧正月休みのため、地元に帰省した作業者の2割前後が、そのまま会社に戻って来ないようです。
ですから、多くの工場は、勝手に辞めてしまうことを想定して、余分に人を雇っておかなくてはなりません。
100人くらいで丁度良い工場だとしたら、120人くらい確保しておかないといけません。
工場によっては、旧正月ボーナス(日本でいう、冬のボーナス)を、旧正月前に半分、休み明けに残りの半分を支給・・・といった具合に、労働者が会社に戻ってくるように工夫している会社もあります。

いきなり、2割の作業者が減ったら、生産計画に大きな影響がありますからね。工場にとっては死活問題です。


中国ほどリスクは多くないかもしれませんが、コンサルタント会社から良い話しか聞いていない会社は、こちらで事業開始してから、痛い目に会います。
まあ、コンサルタントや仲介業者の話を鵜呑みにしないで、現地に進出している日経企業を訪問して、意見交換するのが最も良いのでは・・・と感じます。


どうして、このようなことを書いたかというと、まだ進出して1年も経たない工場なのに、その工場の日本人代表者が3人も変わった会社があるからです。また、その会社はベトナム人労働者の入れ替わりも非常に激しいです。
その会社のダメなところは、すべて「日本式」でやろうとするところです。
ベトナム人を雇用するのですから、日本の考え方・やり方ばかりを押し付けると、労働者には不満が募り、誰も残らなくなります。
しかしながら、その会社は未だに、労働者がすぐ大量に辞めてしまう原因に気付いていないのです。


なんか、長くなってしまいましたね。これから進出してくる会社の人が、このブログを見るかどうかわかりませんが、まあ、参考になれば。。。

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MIZがコンサルタント会社を経営すれば、日本企業は助かる?

やってみようと思ったことはあるけど、Mizは商売が下手なので。。。

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このページは、Mizが2013年10月 9日 22:03に書いたブログ記事です。

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